body,unity

加藤秀一「身体を所有しない奴隷――身体への自己決定権の擁護――」

加藤秀一、2001、「身体を所有しない奴隷――身体への自己決定権の擁護――」『思想』922 奴隷は存在しない――行程の探照 私の身体が私のものでないとき、私は奴隷である。だが奴隷である私の身体は、いったい誰のものなのだろう?……〈奴隷〉の身体は〈奴隷主〉の…

ブルデュー『実践感覚』

実践感覚1【新装版】作者: ピエール・ブルデュ,今村仁司,港道隆出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2001/06/06メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (14件) を見る 第4章 信念と身体 【401】身体表象も世界表象もまったく想定せず…

馬場靖雄「機能分化と『主体性』」

馬場靖雄、2001、「機能分化と『主体性』」日本社会学会第74回大会報告 ……多様なものを統一的なものへと包摂することよりも、統一的なものを多様なものへと分解する(開いてやる)ことのほうが重視され好まれているようだ。……この種の試みは、研究戦略上確か…

馬場靖雄「正義の門前」

馬場靖雄、1996、「正義の門前」『長崎大学教養部紀要(人文科学篇)』第37巻第2号 (5) Cornell [1995c:39f.]では、同一性と「未来の想起」の関連という同様の議論が、ラカンの「鏡像段階」との関連で展開されている。鏡像段階の幼児が、鏡に映った自分の…

カントの「綜合的統一」

田山令史、1997、「統一」有福・坂部他編『カント事典』弘文堂。 カント事典作者: 有福孝岳,石川文康,黒崎政男,福谷茂,坂部恵,大橋容一郎,中島義道,牧野英二出版社/メーカー: 弘文堂発売日: 1997/12メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (3件…

ギデンズ『社会学』

第3版6章「身体――摂食、病気、高齢化」の「まとめ」に次のような記述がある。社会学作者: アンソニーギデンズ,Anthony Giddens,松尾精文,藤井達也,叶堂隆三,松川昭子,西岡八郎,小幡正敏,立松隆介,内田健出版社/メーカー: 而立書房発売日: 1998/04メディア: …

第2回

金曜の読書会で読んでいた"Closure and Openness"。読了。興味深いが、ドイツ語による講演→英訳(つまり原文なし)のため、かどうかは知らぬが、意味が取りにくいところがある。でも興味深いことをいっている講演録であるのは確かなのでした。 キーワードは …

加藤秀一、2001、「構築主義と身体の臨界」上野(編)『構築主義とは何か』(勁草書房)

構築主義とは何か作者: 上野千鶴子出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2001/02/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 24回この商品を含むブログ (37件) を見る 客体としての身体、観念としての身体、現実としての身体 過程としての身体 二つの本質主義とそ…

Luhmann"Closure and Openness"

今日の読書会にはタバコ屋のおばさんがいっぱい登場した。 あらゆるシステムは、前提となる物質的連続体において生じる。マトゥラーナはそれをメディアとよぶ。例えばそれらは、ちょうど原子の構成が、結びつけられることが可能であるようなエネルギーを前提…

memo

……講演を頼まれると、先方から特に演題の指定がない場合は、「これで日本は大丈夫?」と「身体論」のどちらかにすることにしている。 「これで日本は大丈夫?」はいつでも使える。日本社会からわが国の先行きについての不安材料が払底するということはありえ…

身体・統一・観察(レジュメ)

1 落合のまとめによれば、「狭義の近代(19世紀後半から20世紀後半)」の成立局面と衰退局面に、フェミニズムの二度の高まりは対応している。それらはいずれも「近代」をターゲットとした対抗運動であった。1stWaveにおいてそれは、産業化の過程で公/私の…