□■□■□■□■□日刊ルーマンクイズ・第21問■□■□■□■□■

まずは昨日の解答から。

Q20. 象徴的に一般化されたコミュニケーションメディアシリーズ。象徴的に一般化されたコミュニケーションメディアは、象徴的機能と同時に、それとは切り離しえない機能をもつ。「象徴的」の対概念ともなるこの機能は【A】的とよばれる。

A20. 悪魔的(diabolic)。
まずは「象徴」の語義から。symbolは「一つに合わせる」を意味するギリシア語の動詞symballôに由来し、その名詞形symbolonの意味は「割り符」「信仰告白」を意味する(前者は物体を、後者は心を一つにする)[佐々木健一『美学辞典』ISBN:4130802003*1]。synthesis、synthesizeのsyn-。この接頭辞syn-の対義ともいえる接頭辞dia-は、「引き離し、分裂、破壊」などを意味する[春日淳一『貨幣論ルーマンISBN:4326652799]。春日は例として、ローマ神話のキューピッドを挙げる。キューピッドは、恋をそそる黄金の矢と、恋をはねつける鉛の矢を【同時に】放つのだ。
では引用:


貨幣というメディアのもつ最も重要な効果は、社会全体のレベルでいえば、支払いが【第三者をなだめる】ことから生じる。第三者は、【稀少な財に対してあるものが支払いをなすがゆえに】、たとえ彼ら第三者自身もその財やサービスに関心を持っている(あるいは将来関心を持つかもしれない)としても、その者が稀少な財を手にする様子を傍観する。[『社会の経済』56頁isbn:4830940395

ここでも、包摂は同時に排除である、という命題があてはまる。
[『社会の経済』268頁]






Q21. ゴットハルト・ギュンター由来の概念で、二分コードに対し、第三の値として立ち現われる、別のコードを何というか。




答えは明日。

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*1:佐々木によれば、symbolの機能は物体と心を一体にするのだから、この原義は美学上の意味では適当ではない、むしろ日本語の「象徴」のほうが適切であるという