□■□■□■□■□日刊ルーマンクイズ・第22問■□■□■□■□■

まずは昨日の解答から。

Q22. 観察とは区別を用いて一方の側を指し示すことであった。「区別」(distinction)「指し示し」(indication)はそれぞれ、スペンサー=ブラウンのいう〈形式〉概念に由来する。
空間をAと非Aとに分割する区別は、自己完結(perfect continence)である。つまり、区別された一方の側から他方への移動が、この区別によって設けられた境界線を横断crossすることなしには不可能であるような区別である(たとえば平面上では円は区別を与えている)。この、区別の導入によってAであるか非Aであるかのいずれかとして指し示しうるようになった空間を〈形式〉とよぶ。
スペンサー=ブラウンは区別されていることを示すために┐というマークを用いる(平面上の円に当たる)。さて、このマークの内側の空間をなんとよぶか。

A22. 「マークされた空間」(marked space)。
当然、対概念は「マークされていない空間」(unmarked space)である。
ただし、スペンサー=ブラウンは『形式の法則』においてこれらのタームを用いていない。「深度」について定義するさい、
ある空間Sに成立している配置*1aにおいて、マークの内側へと、マークを最大回数横断したときに到達される空間を「最も深い空間」(the deepest space)、一度も横断をしなかったときに到達される空間を「最も浅い空間」(the shallowest space)、
と定義しており、そこから導かれたタームであると考えられる(あるいは別の論文かなにかで用いているのかもしれない)。

形式の法則

形式の法則












Q23. というわけで、もう一問、スペンサー=ブラウン・シリーズ。といってもスペンサー=ブラウンではなくルーマンが定義した概念について。
マークによってふたつの「側」に分けられた空間の一方を「マークされた空間」、他方を「マークされていない空間」とよんだ。
では、区別されていない、「世界状態」を指す、マークの到来していない状態をなんとよぶか。

答えは明日。

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*1:arrangement