最近の音楽(2)―i-depあるいはヒロシナカムラ

昨日の続き。
いやあ16時間ぐらい寝てしまった。読書会のレポートは明日かなあ。
……と書いた後でまた6時間ぐらい寝た。読書会のレポートは0722付けにエントリしますあとで。
一昨日の続き、だな、そうすっと。
前回「誰かが持ってきてくれる笑」と書いた、その「最近の音楽」について書くのを忘れてた。
今年から来年にかけてもっとも名前を聞くことになるだろう人物のひとりがi-depのヒロシナカムラ氏だろうけど、i-depのアルバム聴いてもちょっとぼくにはこの人がどういう人かよくわからなかったのね。「人がわかる」っていうと語弊があるけど、何考えてこれをこうしてんねん!というのが、たいてい、わかるものだと思うけれど、i-depの音源聴いてもよくわからなかった。「クロスオーバー系」とか「ハウスをベースに」とか「ジャズをベースに」とか(どっちだ)「ポップスにまで!」とかは一聴してわかるんだけど。
アルバム単位で聴くとなにがなんだかわからない、逆に曲単位にバラバラにして単体で聴くと、i-depである根拠がわからない。まあようするにアルバムとしてまとまってるけど――ということはアルバムのコンセプト・バンドのコンセプト・ヒロシナカムラの考え方は統一性があるってこと――それぞれの曲がどういう関連性をもってつながっているのか、アルバムがどう組織化されているのかがつかめない、ということなんだけど。検索したらpodcastされてる番組に出演しているようだったので聴けるだけ聴いてみたよ。

つってもまあ、ふつうにFMラジオにアーティスト様が出演しましたってのを聴く感じで、別に重要な発言があったとかじゃないけど。とはいえ「コンセプトについては良く考え抜いている」ということはわかった。そんで、こういうコンセプトを考えるに至るバックグラウンドというのは、iTunesでシャッフルして(よーするにアルバムの単位をいったん解除してみるという行為になるわけだけど)聴いたりしたら、わかったよ。なにがわかったかって、「ハウスとジャズをベースにしてポップスに昇華したクロスオーバー系」ということがわかったよ!
なんで「わかる」ことが必要かっていうと、あーそれは個人的な水準でってことではありますが、この曲はぼくにだってできるよ!ってのと、この曲はぼく一人のいまの能力では作れないなあ、ってのが混在してて、でもi-depの看板になるような曲に関しては(Rainbowとかね)こんなのぼくだって作れるよケッ、でもいい曲だよねえ、でも8回聴けば飽きるかなあ、だからぼくはあえて作ろうとは思わないなあ、とかね。思うですよ。メジャースケールで気持ちのいいコード進行で四つ打ちでボーカルがのってたり、サンプラデリックだったりってのは、ホームリスニングに最適だし、リミックスすればクラブ対応にもなる、そんでクラブアンセムになったりすんだろうなあ、そういうのが見えちゃうとクラブとか行く気無くすなあ、とか、ぼくはウジウジ考えるんだ。ウジウジってのは誇張表現でほんとは全然ウジウジしてないんだけど!
↑で書いてること、何ゆってっかわかんねーよ。とあなたが思うのだろうと、ぼくは思うのだけれど、まあそれは無視して、なぜなら「閉じが大事だ!」「閉じたやつが勝ちだ!」ってのがi-depとかFPMとかの残した教訓だと思うからね。だからまあ書くけど、ぼくとしてはアルバムの単位を壊して、ってだけじゃなくて曲をバラバラにしてみたいね。どんな要素が入っているのか。いや!たぶんさ、曲をバラバラにして、どれがサンプルでどれが生音かってのがわかっても、ぜんぜん何もわからないと思うんだ!それがコンセプトなんだよ、i-depの!断言。「閉じが大事だ」っていったけど、たぶんナカムラさんは「ぜんぜん閉じてないっすよ、オレ閉じさせたらたいしたもんっスよ」てなもんだと思うんだ。わかりやすく言えば、レコードバッグの中はドラムンベースからミスチルまで無節操に取り揃えててクロスオーバーだぜ、ということなんだろうけど(それが2つ上の段落で書いた「コンセプトを考えるに至るバックグラウンド」ということだと思う)、ぼくに言わせりゃあ、それこそがひとつの種類の「閉じ」だぜ。で、いかように、どのような閉じを形成するのか、ってのが勝負どころでさ。
00年代の音楽状況はヒロシナカムラのレコードバッグ、みたいな「閉じ」を漠然と共有している。ということをぼくは90年代から考えててさ、予言者かよ!いやあ、みんな思ってたでしょ。「次はこれがくる」とか、思ってなかったでしょ。「そんな状況は、すでに90年代にあったでしょ。80年代リバイバルが90年代後半にあって、21世紀に入る直前にはアーリー90年代リバイバルなんてものまであったわけだし」ってのは正論。だけど、00年代リバイバル、ってのは考えられないでしょ?i-depもすげえ無根拠だし、その無根拠の根拠は歴史的にちゃんとあるということだよね。

Super Departure

Super Departure

  • アーティスト: i-dep,Monica Bressaglia,Cana,Paul Brundland,Hiroshi Nakamura,ナイス橋本,Yosuke Kakegawa,Saiko
  • 出版社/メーカー: RAINBOW ENTERTAINMENT
  • 発売日: 2006/07/05
  • メディア: CD
  • 購入: 2人 クリック: 15回
  • この商品を含むブログ (72件) を見る
smile exchange

smile exchange

THE ITALIAN JOB mixed & cooked by i-dep

THE ITALIAN JOB mixed & cooked by i-dep

  • アーティスト: i-dep,MONTEGO BAY,GAZZARA,CAPIOZZO & MECCO,LTJ X-PERIENCE feat.TAKA BOOM,PASTABOYS feat.WUNMI,CLUB BRAZILIAN AIRLINES,FREAK DO BRAZIL,SURE PLASURE,MILKY LASERS,LTJ SOUND
  • 出版社/メーカー: キング・インターナショナル
  • 発売日: 2006/01/25
  • メディア: CD
  • クリック: 1回
  • この商品を含むブログ (12件) を見る
MEETING POINT

MEETING POINT

Clutch compiled by Hiroshi Nakamura from i-dep

Clutch compiled by Hiroshi Nakamura from i-dep