バタフライ・エフェクト(2004)

朝からこってりしたDVDを観てしまった……
昨日呑んで帰ってきて、そのまま寝てしまって、朝5時ぐらいに目が覚めて、頭がボーっとしているから読書会の音声ファイルをMP3に変換するなどの単純作業をして、それでも意識にかかった霧が濃かったので、横になって借りていたDVDを観たのだった。

主人公は7歳の時から短期的な記憶喪失を繰り返す。医師は日記をつけさせる。一日の行動を事細かに記録させるという一般的な認知療法だ(若干違うが)。
主人公は20歳、心理学専攻の優秀な大学生。記憶に関する従来の学説をひっくり返すことをもくろむ気概を持ち、教授にも一目置かれている。ある日、彼はその「日記」を用いて自由に過去に戻り、失われた記憶の中に入り込み、自由に行動する方法を身につける。
ぼくはこの映画をいわゆる「記憶モノ」(“メメントasin:B0000D8RO4)として観ていた。しかし本編を観終わった後にDVD特典の予告編を観て、これは「タイムマシンモノ」だったことに気づいた。
Change One Thing, Change Everything
そもそもタイトルの「バタフライ効果」は「蝶が羽ばたくと、地球の反対側で嵐が起こる」と比喩的に表現される、カオス理論の術語だ。初期条件のわずかな違いが、結果の大きな違いを生み出す、という、「タイムマシンモノ」ではよくテーマにされてきたアレだ。

それにしてもアシュトン・カッチャーがかっこいい。彼を観るためだけにでもこの映画を観るべきだ。彼はあれだよね、MTVの"punk'd"asin:B0002MOL06

DVDには特典映像として、エンディングの別バージョンが2編収録されている。つまりエンディングは3つ用意されていた、というわけ。もちろん最終的に採用されたバージョンが最もすばらしい。

ところで主人公の短期的記憶喪失は、未来の自分がその時点の自分に戻って(ある意味憑依して)行動している期間であって、つまりのっとられている期間だったわけだよね。そうすると、未来の自分が一度たりとも過去の自分に「戻る」ことがなかったとしたら、その短期的記憶喪失がそもそもありえなかったので、「日記」をつけることにもならず、したがってそもそも「戻る」方法の発見すらなかったわけだよね。
そうすると、あれだ。タイムマシンモノにアリガチな、例の、循環的な因果性が発生してしまって、決定不能になってしまう。

これ、脚本がすごく面白いと思った。だから、★よっつ、だ!

バタフライ・エフェクト (竹書房文庫)

バタフライ・エフェクト (竹書房文庫)