コチーク主義のメモ

id:chocolat_chaudさんほど普段からつきつめて考えているわけではないので、なにかオリジナリティのある(というかアイディアに満ち溢れた)ことを書けるわけではないですが、伴走、というか後からちょこちょこ*1追いかけるカタチでなにか考えてみるスレ。

・現実によって言語が構成される(言語論的転回以前、本質主義
・言語によって現実が構成される(言語論的転回)
とにかく問題は「によって」と「現実」をどう考えるかということなんだけど・・・・・・。
まず確認しておきたいのは現実と言語の間には、どこまでいっても断絶があるということだ。よって、(構築主義や言語論的転回を用いずとも)認識できる現実を本質や真理と同一視することは当然誤りである。

ここでの「確認」の水準がわからないですが――構築主義者の「言いたいこと」を確認しているのか、id:chocolat_chaudさんの考えを確認しているのか、それとも誰かの考えではなくこの宇宙の本質を確認しているのか――、そもそも

  • <言語/現実>-区別[区別α]

というものが可能であるとしたらその条件は何か、そして何に対して貢献的なのか(つまりそんな区別してなんの役に立つの?ということ)が明らかになっていないと、この区別を受け容れてハナシを進めるのは迷走する可能性大だし、そもそもこの区別を「受け容れた」ことになるのかどうか怪しい、ということがまずいえると思う。

それから、上記の

  • 言語によって現実が構成される[テーゼ1]

はすなわち(イコール)

  • 言語論的転回

ではない、という突っ込みは、普通にありうると思う。一部の構築主義者が言語論的転回を[テーゼ1]のカタチにアプロプリエイトしていることは想像に難くないけれども――でもたいがいの構築主義者は「言語」じゃなくて「言説」って言うよな――、言語論的転回主義者(いるのか?w)は必ずしも[テーゼ1]のようなことを「主張」しているわけではない、と思う。*2

そして、

  • <認識できる現実/本質や真理>-区別[区別β]

というまた新たな区別が――おそらくid:chocolat_chaudさんによって――導入されていますが、これは

  1. [区別α]=[区別β]
  2. [区別α]+[区別β]=<言語/認識できる現実/現実/本質や真理>-区別

のどちらを含意した区別なのでしょうか? という疑問があります。
また、

……断絶[区別α]があるということだ。よって、……〜同一視することは当然誤りである(から[区別β]を導入する必然性がある)

という論理展開は敷衍する必要があるでしょう。

ついでにいえば構築/構成主義の立場をとると明言する論者の中には少なからず「言説だけが現実だ」とおっしゃる香具氏もいらっしゃるわけで、そういう連中に上述した「区別」の導入の必要性(貢献性)を説得的に説くストーリーも用意しておいた方がよろしいかと思う*3

先に気に留めておきたいのは、フーコーの態度を構築主義と同じだと認識するのは間違いだということだ。フーコーの行なっている議論はそれよりもはるかに複雑だと私は思う。

二文あるうち、一文目には同意。二文目は、「構築主義(者/の立場性)」を「それ」とよんで単数化しているのは、危うい。

なぜかというと、件の議論においてフーコーの場合は定義としてのコギトそのものを否定しているのではなく、むしろ現実世界では不可能だといっているのである。フーコーの議論では、現実世界と形而上学、現実と言語の関係において、その断絶が浮かび上がってくる。

過去ログ読んでないのでぼくがわかってないだけかもしれませんが、<現実世界―形而上学>(=R1)と<現実―言語>(=R2)の、R1に在る「断絶」・R2に在る「断絶」はわかるとして、R1-と-R2の関係がよくわからないです。

少し話が脱線するが、現実世界と抽象世界についてはどちらが優越しているかということを言うのは非常に難しいはずだ。彼岸より此岸、此岸より彼岸というような言い方がそもそも可能なのかどうかすら(私には)分からない。現実と抽象との間にはそういうことが言えないくらいの厳然たる断絶があるのではないかとさえ思える。

ここでも、

  • <現実世界/抽象世界>-区別

という区別は、説明が必要な気がする。ぼくが知識として知らないだけかもしれませんが、ありうる(人口に膾炙している)のは

  • <具体/抽象>
  • <現実/理念(理想)>

という区別で……ああ、<具体的現実/抽象的理念>という言い方はできるか。納得*4


><

佐藤俊樹(工事中)

*1:chocolatさんだけにな。

*2:じゃあ何を「主張」してるのか?しるか。

*3:学界的にはこれがいちばん重要なんでしょうけどねえ。ぼくは学界のことはよくわからんですが。

*4:一人で書きながら納得。