インセストとポリガミー

もう終了した質問ですが。
なんでこの人が「医学的、精神病学*1的などで説明*2」して欲しがっているのか――しかも「近親間の結婚」という社会構造上の「要因」をほのめかしておきながら――さっぱり分からないのですが、ものすごい勢いで答えると、
【1】

  • 多くの女性に子どもを産ませたいという欲望は、医学とまったく関係がない。
  • じゃあ何と関係があるかというと、(現今の制度/規範下では)確率論的に「そういう欲望」を持つ人/持たない人が現れるというだけにすぎない。
    • ちなみにぼくは「そういう欲望」を持っている。理由は二つ。
      • (1)たくさんの女性と性交したいから。
        • 一人の女性との繰り返しのセックスは、その人との性交の多数性を探るという意味では単数的ではないが、――経験律からいうと――どうしても「確認」作業に陥りやすい。「こいつとのセックスは、やっぱりこういうところがいいなあ」みたいな。
        • 別の個体とのセックスは、むしろ性交の多数性に直結しやすく、つまり「こいつとはこういう性交に成るのか!」という「発見」作業が容易になる。
      • (2)あちこちに散種したいから。
        • 「典型的な」家族構造を破壊するという社会運動の意味合いもあるけれど、ポリアモーリー(多夫多婦)的な、サステナブルな相互扶助ネットワークの構築を社会実践として実践したい。
  • ちなみにモノガミー(一夫一婦婚)が制度化されている民族は世界で20%にすぎない。

【2】

  • インセスト近親姦)によって奇形児が生まれるとか、その手の「迷信」は、心理的ファクターとして【意味】を持ちうるが、当然ながら遺伝行動学的な根拠はまったくない。
    • インセストがタブーなのは、構造人類学的な社会進化の選択の結果にすぎない(医学的・遺伝学的根拠はない)。

【3】

  • 自己物語として、自己の系譜としてのインセスト家系という「心理的ファクター」が、【1】のような「欲望」形成にどのような影響を与えているのかの「仮説出し」は、直接面談の方法をとる以外に、学的権威付けを持つことができない。
    • むろん直接面談をしたからといって、心理→欲望の規定関係が「わかる」わけではない。
      • おそらくほとんど関係がない。
        • 「欲望」概念が洗練されていないために、コーディング不可能だから。
        • 敷衍すると、「その人がどのような欲望を持っているのか、行動や言動から推察することは難しい」という言明に、そもそも<「欲望」は「人」が「持つ」もの>というきわめて疑わしい前提が含まれている。上記の、「ぼくはそういう欲望を持っている」という言明も、したがってきわめて疑わしい。

*1:

*2:??