書評の妙技

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それも言説戦略?, 2003/10/10
レビュアー: 匿名のレビュアー (プロフィールを見る)   バーミンガム
 日本におけるカルスタの牙城、東京大学社会情報研究所のスーパースターが編んだ何度目かの入門書。吉見氏の弟子筋にあたる社情研院生を大量に起用した内容で、一部の口さがない方面からは業績稼ぎ戦略だという指摘もなされている本である。

 内容はまあ一応いわゆるカルスタの取り扱い商品を一通り揃えてはいるけれども、文体はといえばカルスタの悪癖たる過剰かつ不必要な引用と意図的な統語構造の解纜に充ち満ちており、入門書としては失格と思える。

 とはいえ、カルスタがいかにして失墜したかという事を考えるならば、このような本はまさにカルスタ失墜の生き証人と言えるわけで、ボブ・ディランの「Like a Rolling Stone」でも聞きながら眺めてみるのも一興であろう。

ぼくはこの書評を読んで、非常にうまい書評だと思ったのですが、この人の正体は誰なのでしょうか?
どこら辺が「うまい」と感じたのか、自分でもよくわからないのですが。ボブ・ディランを引いてくるところは別にどうということはないし、「一興であろう」という表現もつまらない。たぶん、2〜3行に言いたいことが圧縮され、その圧縮が3段落ちみたいにリズミカルに並んでいるので、何かうまいと感じさせるものがあったのだと思う。