Don't Gather

EXHIBITIONIST

昨日渋谷で買い物をしていて初めて気づいてびっくりしたのだけど、センター街に入って旭屋書店の方に抜ける道の入り口あたりに、

屯禁ず
Don't Gather

なる掲示があった。ぎょっとした。路上でいきなり命令文だ。しかも"Don't Gather"だ。"Don't Smoke"とか"Dont't Kill"とかではない。こんな命令が、憲法上可能なのだろうか?まさにPかつ¬◇Pである。デジカメがあれば撮っておきたかったんだけど。

「芝生に入るべからず」という看板を前にしたときの、「このエクリチュールを『命令』として選択しているのは自分だ」と気づいた時のサルトルの不安*1をぼくは思い出す。

アルチュセールの呼びかけ。

デリダのパフォーマティヴィティ。

何がギャザリングだ。一人で群れてやがれ。この社会の政治を美学化して通り過ぎて快楽を恥じらいもなしに肯定して「自分は政治的だ」つー免罪符を得たいのならオレは死んでも認めない。自分の美的趣味を政治の名を借りて普遍化するのもいい加減にしろ。

「集まってはいけない」という命令に「いやだ」ということの、どのへんが「政治の美学化」だというのか。たんなる政治じゃないか。というより、最も単純で原初的な権力への抵抗が、この「いやだ」ではなかったか。

というより増田氏はたぶん上野俊哉やレイヴが「美的に」嫌いなんでしょう。だとしたら自分の方こそ政治的言論を美的に封殺しているだけではないか。