Can't Get 徐若瑄 Out Of My Head【第二夜】

台湾ビール2本で眠くなってしまうという理由について書く必要などないのだが、ぼくはビールが嫌いなわけではないのに極度にビールが苦手である。ジョッキ2杯で猛烈な眠気とだるさ、身体中の痛み、特に頭部への鈍痛と激痛。じゃあビールなんてたのまなければいいのに、というセリフを100人の女性から100通りの声で聞かされたが、基本的にビールが好きなのだろうと思う。「酒を飲む」充分な時間と意気込みがあるなら、ビールの後に芋焼酎をロックでガブガブと飲み下し、ビールのダウナー系麻薬力を追い払うこともできる。しかし軽く食事でも。という今日のような場合にはきまってビールだけキメて「店出ますか」ということになる。ここからは余談だが、その後で女性とセンシュアルな状況にもつれ込んだ場合、ぼくは「ビールが苦手なんだ」という100回は口にしたセリフを口にし、ベッドかソファに頭を抑えてうずくまり倒れこむ、そして先にあげた「じゃあビールなんてたのまなければいいのに」というセリフを聞くことになるわけだが、そういう状況での女性の声には10割の確率で「おいおいこれじゃセックスもできないじゃないか。ひょっとしてチンポも立たないんだろうな。この使えねえクソが!」というニュアンスが含まれており、怖い。そしてその怖さがぼくにはなによりの快感でもある。ちなみにそういう状況でもチンポは立つのでご安心を。ぼくとそのような状況にもつれこんでしまった女性は、「このクソが!」と罵りながらぼくを犯していただければ幸いである。「なにもおかまいはできませんが」。


そうそう、台湾小皿料理屋で「言語の問題が関係なかったら、どこに住みたいか」という話題になり、ぼくは「台湾」と即答したのだがそれは台湾小皿料理屋という場所にいたからという安易な理由ではなく、いま本気で12ヵ月後ぐらいに台湾に移住しようかと考えているのだった。ドイツ、イギリス、アムステルダム、とこれまでぼくが口走ってきた移住先は、いまの考えでは、「無い」部類に入る。ドイツもイギリスも仕事をしにいく場所っていう感じがする。平日働いて、週末はアムステルダムかロンドンに入り浸る。という。いま台湾以外のことは考えられない。日本もそろそろ生活を続けるには限界に近づいている(なんで日本に住んでいるか、AmazonGoogleがあるから、と答えてきたが、それは日本でなければならない理由にはまったくなっていない、ということに当初から気付いていなかったわけではない)。しかし台湾に移住するとして、そこではやはり生活のために仕事が必要になるわけだが、自分に何ができるだろうか、日本語教師の需要ってあるだろうか、と考えて、絶望的になった。供給過多で、ぼくに職がまわってくるはずがない(日本語教師ができるじいさんばあさんがゴロゴロいるだろうから)。ところでちなみに台湾に住みたい理由はビビアンがいるからです。


さて《菊地成孔コンサート2007[第二夜]UA×菊地成孔》(攻め×受けを規定したライブのタイトルというのも珍しい)@渋谷オーチャードホール、8日(金)について。

UAについて菊地氏、「女性が怖いと男性としては気持ちいいじゃないですか」「会場の男性陣の『そうだそのとおりだ』という心の声が聞こえますよ、わたしには」。その通りだ、とぼくは思った。
前日の打ち上げをこやつらは行ったらしく、4時まで飲んでいたらしく、菊地のトークは絶不調(笑)。前日も「いつものような快調なトーク」というわけではなかったが、それは菊地氏が風邪ひいてるからか、もしくはオーチャードホールという場所柄自重しているのかな、とも思ったのだったが、2日目と比べるとなんと流暢なトークだったんだろうか、あれは。と思わざるをえない。
UAトークが面白そうなんだけど、たぶん一人でフリースタイルで喋るのが得意なんだろうな、ということと、だったらそこを菊地氏が持ち前のタモリ精神を発揮してうまくいじってあげないと、と思うのだが、どうにもそこが絶不調で、隔靴掻痒だった。
音はCD("cure jazz")よりも格段によかった。声にかかっているロングディレイはどうやってパラメータを計算しているのだろうかとか(もしかしたらBPMがかっちり決められた、デジタル制御のJazzオーケストラだったのかもしれないが)、クラッシュの音の内ひとつだけとても長い間鳴り続ける音があったのだがそれは何のエフェクターを使ってどういうパラメータの設定をしているのだろうか、などと考えていたが、どうやら菊地氏の次のプロジェクトDUB SEXTETのダブ・エンジニアPardon木村氏が参加していた模様(確証はとれず)。
昔から言っている気がするけど、UAの歌唱にはぼくは魅力をまるで感じない。もちろんとてもセクシーで面白くてタフな女性だと思うし、あれで惚れちゃわなかったらヒトじゃねーだろとまで思うが、歌には惹かれない。勤勉だしとてもよく訓練されているとも思うけれど、まあ、歌に魅力を持たせるのはそれだけ難しいということだと思う。勤勉で訓練されていて面白くてカワイイ歌手にはPerfumeがいるが、やはりプロデューサーが優秀だから魅力的なんでしょう、と思う。そういう意味ではUAの不幸には朝本浩文があったのかもしれない(でもそんな黒歴史ならPerfumeだって克服できる。Perfumeがいかに偉大か、という話になってしまうのかもしれないが)。
と、そんなこんなで、第二夜は、緊張感と笑いと稀有さに溢れた第一夜の長い打ち上げの余韻、となっていた。ぼくはそれでもよかったと思っているのだが。

cure jazz

cure jazz


[セットリスト]
Over the Rainbow
Born To Be Blue
―MC―
Night In Tunisia
Music On The Planet Where Dawn Never Breaks
Ordinary Fool
―MC―
バードランドの子守唄
溜息的泡
マネージャングルのジャンヌ・ダルク
Honeys And Scorpions
―MC―
Luiza
Hymn of Lambarene
This City Is Too Jazzy To Be In Love
―encore―
I'll Be Seeing You
―MC―
Nature D'eau



あ、そうそう、この二晩のフライヤーはレアらしい。菊地氏の良い文章が楽しめるのだけど、オーチャード以外の場所で見かけることがないらしい。

昨日の日記のお買い物リストでベストはSoulwaxのリミックス集&MIXの2枚組でした。今年のベスト10圏内確実。