03/24/2007のCA滞在記

日本時間3月24日15時55分、成田空港は雨、NW0028便出発。実際には管制塔からの指示で数分、離陸が遅れはしたが。雲の層を抜けると当然のことながら快晴。雲の地平線が見える。

エコノミークラスは8列、数10行。小さな機体に詰め込みすぎだろう、と思う。ペプシ・コーラを一気に飲み干す。

日本時間18時、夕食。ビーフシチューを頼む。当然のことながら可もなく不可もなく。コーヒーは美味い。

3時間ほど仮眠。なにしろ8時35分発のローカル線に乗るために、起床時間は7時半だったのだ。当然ほとんど寝ていない。睡眠不足を多少解消。目が覚めたころには、外には太陽光線の当たっていない暗闇がひろがっていた。

村上春樹による新訳、レイモンド・チャンドラーロング・グッドバイ』。SFO到着までの8時間で200ページまで読む予定だったのだけれど、結論をいえば、50ページまでしか進まなかった。たぶん飛行機に慣れていないため、気圧の変化に脳がうまく適応できていない。

本自体も飛行機内の乾燥に適応できていない。すべての紙が、とくに最も分厚くて堅い表紙が、反り返っている。これは着陸すれば元に戻るのだろうか? 結論をいえば、元に戻る。

夜食代わりなのか「おめざ」なのかわからないが、しっとりとしたシフォンケーキをいただく。これは美味い。

夜間に巡回するキャビン・アテンダントの"water? water?"という問いかけにはすべて手を上げて応答する。エヴィアンを随時補充。

そしてまもなく朝食。オレンジジュースに菓子パン1個。コーヒーはあいかわらず美味い。

窓の外は太陽光線の当たる範囲。上にまったく雲が無い状態から、徐々に数時間かけて、雲の層を下降してゆく。下方に、さまざまな雲の層を見ることができる。しかし自分が真っ只中にいる雲の層は見ることができない。最上層から若干下降した頃に下方に見えた層が好きだ(もっとも、明確に区切られた層ではなく、見た目の変化で「層」として区別しているだけなのだが)。襞がついたチューブ状の雲がうねうねとうねっている。狸の腸か猿の脳のように見える。

SFOは着陸寸前まで雲の中だった。もっともどこからが雲でどこからが霧なのかわからないが。

太平洋時間3月24日8時50分、快晴。着陸。カリフォルニアでは2007年より、3月第2日曜からサマータイムの採用となっている。日本との時差は16時間。時計はあえて現地時間に合わせない。8足して24引けばよい。

妹の住むSan Mateoは非常にマイナーな市だが、環境がよい。夜には鹿が出没するそうだ。「鹿ってなんていうんだっけ?」と、喉元まで出かかっているのに出てこないもどかしさを解消するために妹に聞く。"deer"、そうだ、中学1年か小学6年のときに習った、あの懐かしい単語。「鹿」という語に孕まれている懐かしさは、あのこじんまりとした英語塾の懐かしさと通底しているのではないか?

妹の息子、つまりぼくの甥には神の救世主を意味する名が付けられており、生後2週間という年齢にふさわしい体型をしている。ぼくはこんなに小さな哺乳類を見たことがない。足は昆虫のそれのようだ。

妹の住む家でワイアレスLANの設定を行おうとするが、これに一苦労。妹の夫JがWEPキーを無しにして完全にオープンにしてくれたがそれでもNG。結局Jの外出中に、きわめてイージーな設定ミスをしていたことに気づき、自分の弱点を思い知る。OSのリージョンは現地に合わせた。

日本にいるときにダウンロードし忘れていたWWatchをダウンロード。きちんと今年からの夏時間変更にも対応している。

周辺地域を散歩。桜も咲いている。

疲れていはいるが、眠くはない、という状態が続くが、夕方に、体を休めたほうがよい、と判断し、ベッドへ。「眠くないんだけどなあ……zzz」というベタなコントのごとく入眠。

18時頃、夕食。

21時頃、ベッドへ。2時、起床。

いつのまにかワイアレスLANが使えなくなっている。Jが設定を変更したのか。

リビングの東側一面を覆う窓から見える夜景が美しい。サンフランシスコ湾が見える。

5時、いいかげんに寝る。