□■□■□■□■□日刊ルーマンクイズ・第19問■□■□■□■□■

まずは昨日の解答から。

Q18. コミュニケーションが要請する統一(Einheit)で、コミュニケーションの割り当てとアドレスのポイントであり、そういった帰属を引き受けることになる(以前の問題に出したようにコミュニケーションは行為へと還元されて帰属される)意味統一はなにか。
A18. 人格。
パーソンズの社会システム理論においては、パーソナリティ・システムが行為システムのひとつと考えられていたが、ルーマンの構想ではパースンはシステムではない。あくまでも社会システムにおいて構成された意味統一でしかない(心的システムがみずからを人格として観察することはありうる。したがって意味システムにおいて構成される意味統一、と定義するのがよいだろう。しかしもっぱらコミュニケーションの接続可能性に供するという意味では、社会システムにおける人格の構成が先行していることが強調されてよい)。








Q19. システムシリーズ。システムとは、(1)〈システム/環境〉差異を用いてシステムの側を指し示したときの指し示された側(環境ではない側)であり、(2)互いに関係づけあった諸要素のまとまりであった。
さて、このシステムは、自己(システム)や環境を観察する。これは自己(システム)に属し、あれは環境に属す、などの観察をおこなう。しかしこれらの観察されたものたちは、端緒の〈システム/環境〉差異でいう「システム」「環境」に属しているのではなく、「システム」がみずから設けた《システム/環境》差異における『システム』『環境』に属している。すなわち、「システム」内における《システム/環境》差異にもとづいて「これ」や「あれ」が観察されているのであり、したがって、システムの観察はすべて、「環境に属する」と観察されたものも、システムがシステム内に構成したものである。
この、システムが自己内部に《システム/環境》差異を設けるという事態をなんというか。


答えは明日。

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