フェデリコ・エレーロ展●ライブ・サーフェス@ワタリウム美術館

4階から2,3階を見下ろす。

展覧会全体というよりは、個々の作品の細部が良かったと思います。それも、ひとつの作品がミニマルになればなるほど、細部も良く際立っていたと思います。
多くの作家がそうであるように、似たような、あるいはまったく同じモチーフが複数の作品で繰り返されるのですが、ミニマルな作品になればなるほど、そのことがはっきりとわかります。そしてそのモチーフがとても面白い。

フェデリコ・エレーロ(1978年、コスタリカサンホセ生まれ)の作品が、世界のアートシーンに、登場したのは、2001年のベニス・ビエンナーレ。それは、廃虚に置かれた巨大な動物のペインティングでした。「何故こんなところに絵があるのか?」「まるでジャングルのなかの象?」 この作品は、ベニス・ビエンナーレ特別新人賞を受賞しました。

その後、彼は、各国で開催された多くの国際展やビエンナーレに参加し、2005年、愛知万博に招待され、「ワールド・マップ」という4つの世界地図を描いた池を発表しました。この絵画作品は、環境と水をテーマに描かれ、さらに、観客がじゃぶじゃぶと池(作品)に入り、自由に国境を超えて旅することができる「遊び場」という新しい機能を持っていました。

フェデリコ・エレーロは、今回の展覧会で、ぺインターという自分の役割を考えたいと言います。この「ライブ・サーフェス」というタイトルには、キャンパスを抜け出したペインティングが、建物の壁やさまざまな物体のサーフェス(表面)に移り、そこに新たな命を吹き込み、社会において別の機能を持つようになるという、彼の希望が込められています。


ところで関連企画の↓が激しく見たい。

第7回:2006年2月 7日(火)
「アーティストと政治」

芸術や音楽のメッセージは時空を超えて、人々の心に直接響く。すばらしい作品に出会う前と、出会った後では、自分を取りまく世界の風景が異なって感じられるようになった経験が誰しもあるだろう。一方、政治はどうだろうか。政治家の言葉は人々の心に届いているのだろうか。時としてひとつの国やひとつの民族の運命さえも狂わしてしまうほどの強い影響をあたえる政治。

政治はアートなのか?それとも世の中を動かすメカニズムにすぎないのか?政治家とは俗物なのか?それともアーティストであるべきなのか?

講師:山本一太 (政治家)