聖地への憧れ―中世東国の熊野信仰―@神奈川県立歴史博物館

古代から多くの人々の信仰に支えられた熊野の聖地。その宗教世界が世界遺産に登録されたのは記憶に新しいところです。自然に対する畏敬の念を本質とする熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社いわゆる熊野三山が、近代化する以前の日本人に与えた影響には、はかりしれないものがありました。
紀伊半島から遠く離れた関東・東北の地にも、今でもなお多くの熊野神社が存在しています。その起源は500年以上をさかのぼり、さまざまな熊野信仰の遺物を現在に伝えています。
本特別展では、東日本の各地に遺されている信仰遺物の優品を中心に、これまで、あまり注目されることのなかった古文書や紀年銘などの各種史料、新出の絵巻資料などを展示します。そして、如何なる熊野の聖地が地域社会に展開し、熊野信仰が東国にどのような影響を与え得たのかを探りたいと思います。
◇ 展示数 約100件200点