レシートによる音楽短評・HMV


HMVのレシートには商品番号が記入される。
上からいこう。


……と勢いよくいこうとしたら出鼻をくじかれた。
SRCL5970という品番のCDが見当たらないのだ。ここでググってみました。



……こともあろうに、オレンジレンジだった。買ってないっつーの。
たぶんレジで打ち間違えた(前の人が買ったものがクリアされずに残っていたとか)のだろう。金返してくれ……
レシート捨てちゃったよ……なんとなく嫌な気分だ……




気をとりなおしていこう。

http://d.hatena.ne.jp/05坂本龍一"/05"。代表曲のピアノバージョン新録音で、前作"/04"の姉妹編。今年のぼくのベストアルバムTOP5に"星になった少年"のサントラがランクインしているが、その高評価の理由は、坂本の良さはオーケストレーション、もっとぶっちゃけていえば和声法にあると考えており、坂本らしさが発揮されているのが"星になった少年"においてであったからだ。ぼくの考えでは"嵐ヶ丘"サントラ以来、の傑作だ。"/05"に関していえば、ピアノ中心であるがゆえに各パートへのメロディの割り振りを楽しむことが難しい(もちろんピアノ演奏の専門家の耳には各パートが独立して聴こえるのだろうが、残念なことにぼくの耳はそのようにできていない。同様の理由から"CODA"をあまり評価できない)ということが危惧されるところだった。が、このアルバムは"/04"と同様、『オフィシャル・スコアブック』の出版との連動企画であり、楽譜集を手元に置けば、むしろ音数が少ないぶん、意識的に和声法を楽しむことができる。なお、楽譜集の初刷にかんしては装丁にミスがあったようなので、注意されたし(Amazonカスタマーレヴューによる)。(ISBN:4845612240



Echo Parkadvantage Lucyhttp://www006.upp.so-net.ne.jp/advantageLucy/)の4年ぶりのアルバム"Echo ParK"。アイコ氏による2005/06/05日記での発言につきる。「この4年間はほんとうにいろんな事があった。長い時を費やしてこのアルバムが100%の答えかって言われたらきっとそうじゃないと答えると思う。でも、今のタイミングにこのアルバムを出すことはルーシーにとってとても大切な一歩になるのだと思う。いろんな想いが曲になり、歌になり、初めての音源を出す時のように愛しいアルバムだ。まだ発売前からもう次作の話をしている。もう大丈夫、歩き出せる」http://www0.yapeus.com/users/advantagelucy/?page=3&)4年前に聴いた最後の音源がアルバムだったかマキシシングルだったか、もう忘れてしまったが、あまりいい印象を受けなかったことは覚えている。声の出し方が、初期のころとまるで違っていることに、なにか嫌なものを感じたのだった。このアルバムは、楽曲も歌唱も、初期Lucyに良い意味で近づいていると思う。だからとても良い印象を受けた。「昔はよかったのに、あのバンド」というようなことが言いたいのではなく、4年前に、確実にバンドとしてのポテンシャルは落ちていたのだ。あのスランプ(?)は乗り越えられるべきもので、もし乗り越えられなかったならば「昔はよかった」バンドになってしまっていたことだろうと思う。「初期に近い」というのは、ディグレードしたということではなく、歌唱力が上昇したということだと考えてよい。(なんだかアイコ氏の歌のことばかりいっているが、ポイントはそこにあるのでしかたがない)単純に歌のうまさということでいえば初期とは比べ物にならない。4年前の嫌な感じは、過渡期特有の迷いが声(というか発声法)に現われていたということなのではないだろうか。



L.D.K Lounge Designers Killercapsule"L.D.K. Lounge Designers Killer"。エレクトロ・ボサノヴァ・ラウンジ・ディスコ・ポップ、というコンセプトは、前作とまったく変わっていない。というかネタまで使い回しているような気がするのだが……にもかかわらず、前作よりも良い!コンセプトに迷いが無く、ボーカルにも迷いが無く、すべてがパーフェクトに作り上げられたレディメイド商品で、もちろんピチカートがいなければ存在しえなかったことはいうまでもないにせよ、ピチカートよりも数段洗練され、すぐれている。ポジティブな気分のときにはこれ以上のサウンドトラックはない。



SalavahPort of Notes"salavah"。CD棚を眺めていたら持っていなかった過去のマキシを発見したので購入。これ、ジャケットがいいですなあ。2000年って5年前、だけど40年ぐらい前のフォークデュオの再発、と言われたら信じてしまうような良い色合い。



House Beatsugiurumn"House beat"。ふざけているとしか思えないタイトルだが、楽曲すべてがふっ切れている。初期のガラージはいったいなんだったのだろうか。ボーカルにブライアン・バートン・ルイスをむかえるというのもふざけているとしか思えない。しかしかっこいい。90年代初期の渋谷系からの「ふっきれ」がもっともうまくいっている男の一人が杉浦だといっても過言ではない。(しかしふっきれすぎていて、パーティでは使えるとしても、パーティへむかうカーステなんかではかけられない恥ずかしさが充溢している)