魚喃キリコ『ハルチン』

ハルチン (Mag comics)

これいつ読んだんだっけな……。
Hanako'95年5月から'98年3月までの連載。
Hanakoの同枠はあの名作、高野文子『るきさん (ちくま文庫)』も連載していた枠で、『ハルチン』も『るきさん』へのオマージュといったつくりをしている。
ただし、その線は岡崎京子の細さへの強迫で、連載時期はポストバブルかつポスト渋谷系の時期で、ぼくの周囲の女の子たちはたしかにこんなだったなというリアリティ志向で、とにかく『るきさん』とは行き方を異にする。
しかしあのなにもなかった暗黒の・空白の時期のリアリティを掬い取ることに成功しているのはすごいことだと思う。