すべからく問題
あれ、誤用だったのかよ、と、ご指摘を受けて調べてみたら、
すべからく【須く】
(副)
〔漢文訓読に由来する語。「すべくあらく(すべきであることの意)」の約。下に「べし」が来ることが多い〕当然。
「学生は―勉強すべし」〔古くは「すべからくは」の形でも用いられた〕
とあって、日本語では「当然」というイミの副詞なのね。で、「べし」で呼応させ【なければならない】、というのは誤り*1。
キーワードリンクに中国語では前置詞で、英語ではneed toに対応、とあるように、言葉で意味を発生させるには言語によって品詞が当然変わる。
上記エントリでは、
- PPSTは「〜たいという野望にとり憑かれた人たち」である
- PPSTには「〜たいという野望にとり憑かれ」ていない人は含まれない
- PPSTではない人々はすべからく「〜たいという野望にとり憑かれ」ていない
という使い方をしているのだけど、これは
- Sは必然的にPである
- Sは排他的にPである
- ¬Sは必然的に¬Pである
ということを口語的にときほぐして言おうとした部分なので、「当然〜」というイミである「すべからく」の使い方としては誤用とまではいえない。
とまれ、誤用指摘の「ゆんゆん問題」はまた別のハナシですが。
*1:中学入試の問題で選択肢にあったらもちろん「べし」を選ぶこと。