かねさだ雪緒(原作/嶽本野ばら)『下妻物語』(フラワーコミックス)
読了。
下妻物語 | |
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桃子がBABY, THE STARS SHINE BRIGHTに刺繍を頼まれて、迷うことなく引き受けるところが、ひっかかったというか、あらら、すごい。と思った。なんというか、固い感じがする。
たとえば、染色工芸作家の古澤万千子が、白洲正子から高価な越後上布での染色を依頼されたときのことを、
失敗したら困りますと申しあげた所、「あらそう、では二反お持ち下さい」とおっしゃられました。思えば途中失敗のあるような仕事ならば、予備が何反ありました所で足りはしない事をご承知の上で、若い私に持たせて下さったのでした。
と回想するわけだけれど、これはリアルですよね。この対比は描こうとする対象の差異(おおらかな人生の達人白洲正子/自我が固い孤独な少女)に対応しているのだけれど、桃子の固さは気になる。たとえば若いオンニャニョキョ読者は、「これってあたし」的な読み方をするのだろうか。必ずしもそうとはいえない、理想像としての「パーフェクト・ガール」を描いたのだ、という見方もできるのだけれど、なんというか、この手の「固さ」が多くの若いオンニャニョキョの共感を得ることがありそうな感じがして、気になる。まったく共感はしないけれどフィクションとして面白い、という感想が多数派だとは思うけれど、いま「多数派」とかいっても意味ないしね。
ぼくが気にする必然性はまったくないのだけど、ニョキョたちには健康であって欲しいからね。健康って、悪い言葉だな。健やかっていうか。同じか。
夕顔 | |
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