明度対比

*via:http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20040807

AとBが同じ色だ!

これは色の対比のうち同時対比に分類され、かつ明度対比に分類される対比現象です。明度対比とは、明度の差がある色を配色した時、明度の高い色(明るい色)はより明度が高く、明度の低い色(暗い色)はより明度が低く見える対比効果です。
上記サイトの画像上のBタイルがマウスで動かせますので、すべてのマス目にBタイルを置いてみてください。Bの周りのブロックの明度が低いためにBは(実際よりも)とても明るく見え、Aの周りのブロックの明度が高いためにAは(実際よりも)とても暗く見えるためにこのような現象が起きます。
これは3級の範囲ですよ〜


さて、本日の《ウィトゲンシュタインとともに学ぶ色彩講座》です。

今日は『色彩について』第1部3節です。

三 リヒテンベルクは、純白を見たことのある人はごくわずかしかいない、と言っている。そうなると、「純白」という語を、たいていの人は誤って使っていることになるのか?当のリヒテンベルクは、その語の正しい使い方をどのようにして学んだのであろうか?――彼はその語の通常の使い方から理想的な使い方を構成したのである。そしてこれは、彼がよりすぐれた使い方を構成したという意味ではなく、ある方向で純化された使い方を構成したという意味なのであり、ここではなにかが極限にまで押しすすめられているのである。

さて、ここでいう「純白」問題を、色彩体系ではどのように解決しているでしょうか?
マンセルシステム*1は、最高明度の白を10、最低明度の黒を0とします。しかし定義どおりの白や黒を色票にすることはできません。実際見ることができる黒の明度は1、白はせいぜい9.5までであるとされています。
オストワルトシステムでは、入射光を100%反射する理想的な面を白、入射光を完全に吸収する理想的な面を黒とし、その中間をグレイと定義しました。無彩色の段階は8段階設定されていますが、理想的な白は現実にはないので、色票化された最高明度の反射率は89%とされています。また実際に使用できる黒も反射率が0に近いものはないので。3.5%を実用上の黒として採用しています。

これは2級の範囲ですよ〜

*1:現在マンセルシステムとして知られている色彩体系は、1943年アメリカ光学会による修正マンセルシステムのことをさす。