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「ハイモダンなんだ−−ポストモダンなんかじゃない」だそうだ。引用文献を眺めると、アドルノ、バルト、ベンヤミン、ブーレーズ、ドゥルーズ、デカルト、デュシャン、エンゲルス、ファイヤアーベント、フーコー、サイモン・フリス、ゴダール、ヘブディジ、ヘーゲル、ハイデッガー、ホルクハイマー、キットラー、ルーマン(おお!)、リオタール、マルクス、マクルーハン、ニーチェ、セール、シュトックハウゼン、……などなど、まあ、ドイツ発のカルスタなのでこうなるかな、というね。
個人的に関心があるので、ルーマンがどんなふうに使われてるのか探したところ、
でも、複雑さを追求するってことが、自己目的化しちゃダメだ。規範的な美学の罠にはまりたくなかったらね。シンプルさこそが難しいんだってことになったら、音楽的問題を解決するのに、複雑さなんてお呼びじゃなくなってしまう。もっと音楽を! こういって音を追求するにしたって、「もっと複雑に」って方向じゃなくて、「もっとシンプルに」って方向で行った方がいい。その方が、結局「もっと音楽を」ってことにつながる。これもアリだよ。プリミティヴってのは、その素朴な構造において洗練されている。これが、デカダンスの考え方だった。ミュージシャンが、ミニマル構造の狭さの中で仕事をする。これって、最大限の自由ってやつを前提にすると、ミニマル構造のルールを全部知っておいたほうがいいってことになる。だから、複雑さを最小限に抑えるってのは、決して、「複雑さを排除するってことじゃなくて、複雑さをアウフヘーベンするってことさ」*1。ニクラス・ルーマンのシステム論では、複雑さってのは選択を強要するってことなんだ。選択の強要ってのは偶然を含むってことだ。偶然ってのは、とどのつまりリスキーだってこと。音楽はリズムとハーモニーの法則からできてる。でも、その構造は非物質的だから、自由の度合いははるかに大きい。そこで強要される選択ってのは、スタイルを選ぶってことなんだ。(167-8頁)
つぎのルーマン翻訳はこの文体でおながいします。
*1:『社会的諸システム』邦訳ではxvi頁で、「もとより、縮減された複合性は、その理論にとって排除された複合性なのではなく、取り除いて保存される複合性なのである」となってますな。