苅谷剛彦『学校って何だろう――教育の社会学入門』

学校って何だろう―教育の社会学入門 (ちくま文庫)

学校って何だろう―教育の社会学入門 (ちくま文庫)

8年前に連載されて7年前に単行本化されたエッセイに「教育の社会学入門」なるサブタイトルをつけて文庫化。
苅谷氏はこの8年間でだいぶ教育の環境が変わってしまったこと、しかしこの本で書いていることの本質はいまでも有効であることをあとがきで述べているが、たぶん今後数年で教育の環境なんてものではなく、教育や学校の組織自体が大幅に変更されるだろうから、(とくに教室に関する記述などは)未来の歴史家が古文書をひも解くような、そういう対象になる本だと思った。
と書いて思ったのだが、理論的志向をもって書かれたものが、時間とともに経験的な記述として読まれるようになる可能性は常にあるのだね。あたりまえか。