マッツァリーノ『反社会学の不埒な研究報告』
- 作者: パオロ・マッツァリーノ
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2005/11/01
- メディア: 単行本
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しかし続けているうちに、おもしろければなんでもアリだ、と考えを改め、社会学の範疇を越え、歴史、経済、国語学などもつまみ食いしてネタに使うようになりました。どうでもいいや、社会学なんて。
というところで笑った。
でも中身は(やってることは)社会学だった。
手法にも対象にも、べつに社会学固有のものってないのだし、「社会学の範疇を越え」なんていうことはなかなか難しいのではないか。
それにしても帯の文句「ひきこもり社会学者、スーペーさん、さようなら!」ってのはいかがなものか。政治的に正しくない(差別助長的な)いいまわしを意図はどうあれ学者の本の売り文句に使うというのは……
帯の文句はマッツァリーノさん本人が書いたのではないのかもしれないけど。
たしかに「大衆に背を向けて専門分野にひきこもることでのみ、学問は成し遂げられるとするマックス・ウェーバーの古臭い教えを、いまだに後生大事に守っている学者が多すぎます」(5頁)という記述は本文にあるのだけど、これはたんにマッツァリーノさんがそういう学者は嫌いだ、と個人的にいってるだけで、差別的な語用法ではないと思うけど、帯の文句は明らかに「ひきこもり」ということばをネガティヴな意味で使用していて、それでいかがなものかと。
うーん、ひきこもりなんてたいした問題じゃないぜ、って含意もあるのかな。本書全体に。深読みかね。