『論座』9月号、『PRESIDENT』8.29号


論座』。特集:ブログの実力。まず遠藤薫さんの論考。本日の遠藤薫語録:

むしろそれは、絶対零度の地点から現実の状況を逆照射する、ミクロな視座からマクロな社会を俯瞰するまなざしであるとも言えるのではないか。[60頁]

絶対零度ってキグナス氷河だっけ?
インフォバーンの人〔1965年生まれ〕の髪が薄い件についての座談会。10歳違うとここまではげるか(近藤〔1975年生まれ〕・西村〔1976年生まれ〕の人たちはぼく〔1974年生まれ〕と同世代)。

『PRESIDENT』。特集:最新「学び方」。で、ようするに勉強法の特集。
これ、1000人アンケートという、社会調査的にかなり有益な資源をゲットして特集組んでるのに、その分析はおまけみたいなものになってるのがおもしろかった。あたりまえだけど、この雑誌読む人はone of 1000人じゃまずいと思って読むわけじゃん。だからこういう取り扱いになるのはわかりきっていて、その「予想通り」具合がおもしろいのだよ。
それで、予想がつくと思うのだけど例によって、「達人の」勉強法の記事があり、「有力会社の会長・社長」の選ぶ100冊って記事がある、と。
不思議なのは、『PRESIDENT』→「勉強法特集」ってつながりの連想はとてもありそうなもので、自然な印象を持ってしまうのだけど、それはなんでなんだろう?「できるビジネスマン」になるにはやはり、人とは違う勉強をしなければならない、という風に、みんなが思っているからだろうか?
しかしそんなわけないじゃないかとも思う。「できるビジネスマン」になるのに勉強が必要だとも思えないけど。できるビジネスマンで勉強家の人は多いと思うけど、そこに相関関係ってあるのかな?どうも怪しい気がするけど。

論座』の座談会から引用:

西村 そうだと思います。とりあえず法務リスクや消費者リスクは後回しにして、やりたいことを先にやっちゃえ、という。
遠藤 でも、当然リスクによって失敗する人はたくさんいますよ。
西村 リスクがあるように見せかけておいて、やってみたら、実はそんなにリスクはなかったね的なことのほうが、世の中多い気がする。
小林 最終的にはその企業の運というか、創業者の運てしょう(笑い)。ホリエモン堀江貴文ライブドア社長)だってウェブ制作から始まって、今じゃ全然違う業態の会社です。彼の運の強さは他の比ではない。「運」ばかりで企業を語るとトップやアナリストは怒るかもしれないけれど、(アップル創業者の)スティーブ・ジョブズだって陰ではたくさんの失敗もしている。戦略云々を語っている記事は関係者からの聞きかじりだけで美化しすぎ。勝ち戦になったのは、戦略よりも時の運ですよ。これ、褒めているんですけれどね。
近藤 関心の幅広い人が成功する気がします。技術だけでも駄目だし、ビジネスモデルは考えるけれど技術には全く興味がないという人もあまりうまくいかない。

いやー。ぼくも「運」だと思いますよー(笑)。

運ていうか「偶然」だよねー。「外的な偶然性を規定的契機として呼びこむ」っていうか(およ)。

引用:

遠藤 サービス提供者からみてプログビジネスはどうですか?
近藤 正直、まだモデルが固まっていないですね。各業者とも無料提供ですし、プログに広告を出してどのくらい効果があるのかわからない。でも、書き込まれたデータだけは毎日増えていきます。
小林 アメリカでは、超ニッチでミニマムな需要の集積がビジネスになるという「ロングテール論」が喧伝されてますよね。それも含めてまだ収益モデルを模索中なのに、技術がどんどん次のステップに進んでいってしまう。
近藤 例えば、無料ウェブメールの収益モデルはほとんどないけれど、メールマガジンを発行して広告を載せるという仕組みはある。そんな例を手本にして、だんだんモデルができていくと思います。
小林 でも、広告を入れたい人はたくさんいても、それをはじきたい需要も多いという問題が……。(笑い)
西村 そもそもRSSは、更新ページから広告を抜いた内容を取り出す技術なので、そこに広告を入れても(ユーザーに)はじかれる。ユーザー側はどんどん便利になっていく一方で、新規事業者の参入で過当競争になっていて、事業者はきついだろうなあ。(髪の毛が)薄くなるのもしようがないなという。(笑い)
小林 私はそういう事業者じゃないけどね。(笑い)

こういうハナシの方が面白いと思うよ。アントレプレナー的パーソナリティの人たちの膝カックンするみたいなさー。

だって『PRESIDENT』に出てた黒木亮なんてリーマン時代に会社の金でさんざん海外留学してアラビア語勉強とかしたあげく作家になって、いまはロシア語学校行ってます、とかゆってんだもん、そんなのアントレプレナーと関係ないじゃん(笑)。勉強とはそういうものです、と思います。

*関連記事:http://d.hatena.ne.jp/yskszk/20050805