肩を抱いてやりたくなるドイツ語。

*via:naoxi

というわけでベンヤミン再訪。

ベンヤミン・コレクション〈3〉記憶への旅 (ちくま学芸文庫)

ベンヤミン・コレクション〈3〉記憶への旅 (ちくま学芸文庫)

願いごとをひとつ、そのまま叶えてくれる妖精が、誰にも存在している。だが、自分の願ったことを思い出せるひとは、ごくわずかしかいない。それで、後年になって自分の人生を振り返ったときに、あの願いごとは叶えられたのだ、と分かるひともごくわずかしかいないのだ。私は自分のその叶えられた願いごとを知っている。
〔…〕〈うんと寝ていられたら〉。この願いごとを、私は優に千度はしたことだろう。しかも、この願いはのちに本当に叶えられたのである。だが、一定の身分と確実なパンを得たいと心に抱いた希望がこれまでいつも空しかったということこそ、あの願いの成就にほかならないのだ、と私が認識するまでには、長い時間が必要だった。