『社会の経済』(1988)

なんかいつのまにか2004年に再版されて、入手可になってますね。
一晩で来たよ。注文して。
ああ、これで今年中には『社会の〜』シリーズがそろってしまうではないか!

社会の経済

社会の経済

社会システムが分化し切るためには、当のシステムのすべての作動にかんして自己準拠的な指示関係が閉じられる必要がある。したがって、経済的に起こるすべての事柄、つまりシステムとしての経済に帰責しうるすべての事柄に、自己準拠がともなわねばならぬのである。経済のコミュニケーションは経済的であることを自ら証明せねばならず、そうすることで、たとえば親密な関係を求めての接近のこころみとまちがって解釈されたりせずにすむ(注)。いいかえると、経済のコミュニケーションはほかに何をしようとも、それと合わせてつねに経済システム自体を再生産しなければならないのである。他方、自己準拠的循環のこの閉鎖性は、決してひとつの事態としてそれだけで可能になるのではない。そうではなくて、〔他者準拠と〕共に進む自己準拠としてのみ組み込まれうるのである。閉じたシステムは開いたシステムとしてのみ可能であり、自己準拠は他者準拠と組み合わさった形でのみ現われる。以前は対立関係として定式化されていた概念の関係をこのように性質強化の関係に変換することは、最近のシステム論の最も重要な成果のひとつである。

(注)娼婦にとって、この差異はとくにその修行期間において全く実際的な問題である。彼女たちは外見(みなり)と行動(ふるまい)で意図するところを目に見えるようにせねばならない。