構造的カップリング・検討会スレ

# jouno 『はじめまして、「構造的カップリング」のキーワードの解説、あってるでしょうか。うろおぼえなので気になってます。よかったらちらっとでもみていただけるとありがたいです。』
# hidex7777 『はじめまして。多少書き換えて、多少書き加えました(進化論の部分を加えたのですが、余計なことを書いているような気がしてなりません)。ちょっと、今日のエントリで気になった部分に関するメモを載せておきます。』

を受けまして。

struktuelle Kopplung

オートポイエーシス理論の概念。

id:jounoさんが作成。
以下の部分(「自律的」「閉鎖的」など、あと文章を多少)をid:hidex7777がちょっといじる:

相互に自律的で閉鎖的でありながら、相手のシステムの維持・成立が依存している環境条件をつくりだしているようなシステム間の関係。一方のシステムにとって、他方のシステムは環境としてのみ作用しており、当該システムにとって有意味な環境状態の変化を媒介としてしか、両者は関係を持たない点で、あくまでも互いに閉鎖的な関係にとどまるが、相互に環境的条件となっているという点で、相互依存的な関係となっている。

たとえば、あるシステムAが環境条件としてxを必要としているとき、環境にxを安定して存在させる効果をもつシステムBと偶然、場を共有する。また、システムBが必要とする環境条件yを、たまたまシステムAも環境として供給しているとする。このような場合、この偶然のカップリングは安定して存続する構造的傾向をもつようになるが、しかし、それぞれのシステムは自律的で閉鎖的な「他者」のままにとどまり、カップリングされた他のシステムは、適応できる環境条件となるものであれば他のものでもいいという意味で、理論的には偶然的なものとみなすことができる。

以下の部分id:hidex7777が書き加え:

マトゥラーナとヴァレラは、システムは環境に最適化するのではなく、ただ適応するのみであるとして、進化(構造的ドリフト)理論に構造的カップリング概念を用いている。

ここでぼくらが提唱するのは、〈進化とは進行する系統発生的選択のもとでの構造的ドリフト現象として起こる〉という見方だ。進化という現象においては、環境の利用に関しては進歩も最適化もなく、ただ適応ならびにオートポイエーシスの維持のみが、おこなわれる。それは有機体と環境世界とが、連続的に構造的カップリングされたままであり続けるプロセスのことだ。

以下の部分はid:jounoさんの文そのまま:

それぞれのシステムは、環境に対してそれぞれ異なる意味論を持ち、環境を異なる形で分節し、定義している。しかし、それぞれのシステムの環境に対する効果は、それぞれのシステムにとっての意味、機能は別物で関係をもたないにもかかわらず、システム的に下のオーダー、たとえば生物学的次元に対して生化学的次元では関係を持つ。

社会学にはルーマンによって導入された。

構造的にカップリングされたシステムは、互いに依存しあっている。----しかも同時に、互いに他に対して環境であり続けている。だから、構造的カップリングという言葉は、システム間の一定の依存性/非依存性の関係を表しているのである。

#詳しい方、訂正希望。


ぼくが気になったのは最初の2段落。
「相手のシステムの維持・成立が依存している環境条件をつくりだしているようなシステム間の関係」「あるシステムAが環境条件としてxを必要としているとき、環境にxを安定して存在させる効果をもつシステムBと偶然、場を共有する。また、システムBが必要とする環境条件yを、たまたまシステムAも環境として供給しているとする」
↑という含意を「構造的カップリング」は持っているのでしょうか?>その筋の方。
ぼくの理解では、「たんにカップリングしているのであって、『維持・成立の必要条件』であるとまではいえない――そこまでいうにはまた別の前提が必要になる」のですが、どうなんでしょう?
それでまあ、最近「ドリフト萌え」(id:hidex7777:19010105)なアテクシは、進化論上の含意を書き加えてみた、というわけなんですが。