まあ、だれもが言いそうなことではあるが、

香山に対して言うべきことを、短い字数内で無駄なく、流れるようにまとめているという点で、非常によい書評だ。テンプレ。

レビュアー: カスタマー   北海道
なんとなくリベラリズムに染まった著者には、憲法改正教育基本法改正も、フェミニズムの行き過ぎへの批判も、すべて「保守化」に見えるらしい。しかし、自衛隊なしでやっていけるのか、あるいは曖昧な状態を続けるのかという問いにまともに答えることができないため、この「保守化」を通俗心理学あるいは精神分析によって説明することで攻めようとする。しかし何せ教養がないため、欧州委員長の名を「ブローディ」、スペイン首相の名を「サバテロ」と書いて平然としている。普通に新聞の国際面を読んでいれば間違うはずがないのだ。いざと言う時に米軍は日本を守ってくれるのか、などと言っているが、米軍は何も日本を守るために極東に展開しているわけではないのだよ。地政学を勉強しなさい。付け焼刃ははげやすい。

「まれに見るバカ」が売れ、その後「バカのための読書術」が出たなどと書いてあるが、「バカのための」の方が先である。同じちくま新書で、こんなチェックミスをした編集者の顔が見たい。香山よ、腰を据えてもっときちんとインチキ心理学以外の勉強をするか、政治など論じるのはやめて、分相応に恋愛エッセイかプロレスエッセイでも書いていればいいのだよ。